鴉と蘇生りの水 七話 蘇生
六日目 夢路のお仕事
社「おぉそうだ。昨日はたまやで存分に楽しませて貰ったよ。女将に宜しく伝えてくれ。」
夢「はい申し伝えます( ̄∇ ̄)。」
社「その……龍湖と言う女給はたまやにはよく来るのか?」
夢「お気に召されたのですか?( ̄ー ̄)b」
社「イヤイヤ \(//∇//) 決してそんなではない💦」
夢「彼女は止めといた方が良いですよ。社長、奥さん大事でしょ( ̄∇ ̄)。」
社「うん…?あ、ああ。ゴホン💦」
夢「社長、もうお時間ですよ( ̄∇ ̄)」
社「あ、あぁ、そうだな。これからあの泉をどうするか検討せねばならんのだ。」
夢「期待してますよ、社長❤️」
社「あぁ。……ん?🙄」
夢「何か…?☺️」
社「😒ジト………まさか…気のせいだな…」
夢「(〇-〇)ニコッ♡」
社「(⌒-⌒; )・・・・😮あ、そうだ。女将に伝えてくれないか。
これから話を詰めるが、あの泉のある敷地内に神社を造って寄進するつもりだよ。
それから泉を使った温泉で療養出来る場所を設けようと思う。
これから他の者とも検討してくるから、楽しみにしていてくれと。」
夢「それは凄い!解りました。すぐに伝えます。
でもあの塞いでるのだけでも早急に取り除いてくれませんか?
鳥達があの泉を使ってたんですよ。俺のカラスも使いたいはずなんで…。」
社「ふむ🤔。まぁどちらにしてももう不要だしな。」
夢「何なら俺やりますよ。」
社「そうか。じゃ勝手に取り外しておいてくれないか。給金は出す。」
夢「お、本当ですか😊。じゃ今日中にやっておきます。」
社「頼む。」
斎蔵・番所にて
斎蔵さん、いるかー?
お、玄、戻って来たのか。じゃ雅は元気になったんだな😃
お帰り。何か変化あったか?
俺、社長の心を鷲掴みにしてた❤️
あのな…😅
神社と療養出来る場所作りたいってさ。
で、これから泉塞いでるのを引っぺがしに行くんだけど、関係ない奴が出て来てうるせー事言われたら嫌だから一緒にやってくれよ。
とか言いつつ手が欲しいんだろ。
許しは得てるんだろうな。
もちろん😄。
で、男手がいる。
どうせなら皆呼んでしまえよ。
皆気にしてるだろうし。
そか。それもそうだね。
夢路は玄の足に文を結びつけ、玄は空高く飛んで行った。
俺は夢路と泉に向かい、泉を塞いでいた戸板や石を取り除いた。
途中で他の面々も手伝いに来て、作業は然程手間取らずに終える事が出来た。
玄は皆を呼びに行ったまま戻って来なかったが、多分雅にこの事を伝えに行ったのだろう。
木々の間から差し込んだ光が泉の水面を照らした。
久しぶりに光を浴びたであろう泉の水は長い事流れが滞っていたせいで濁っていたが、暫くすれば新たに流れてきた湧き水で綺麗になるはずだ。
あ・・・・・
何かの気配に全員が泉の入り口を振り返るとそこには女が立っていた。
雅?
黒い服を着た女は濡れていなかったが正しくそれは倉庫に現れた時と同じ姿の雅だった。
皆さん、本当に有難う。
私は名もないただの雅(カラス)でした。
この泉で出会った少年のお陰で悪霊にはなりませんでしたが、それでも悲しみは癒えず妖となってしまいました。
私は子供達の為に強くあろうと、この泉に来ては溢れた涙を洗い流していました。
そしてあの少年の優しさを思い出してはその優しさに力を貰っていました。
でもその泉が使えなくなってしまい、他の水場で身に付いた涙を拭う事は出来ましたが、溢れる涙はどうする事も出来ず…。
社長さんに何とかして欲しくて、人の姿になれる東雲に倉庫を訪れておりましたが、社長さんは怖がって逃げだしてしまう始末…。なので斎蔵様がいらした時は、思いが通じるか不安でしたので、さぞかし不穏な気配を漂わせていた事と思います。
それがこの様に助けて頂くとは思ってもみませんでした。
本当に有難うございます。
あの水溜まりは涙だったのか…。
雅って名前じゃなかったのね…。
じゃ名前つけてあげるよ。
翠ってどうだい?玄は黒いから玄だけど、雅の羽は黒いけど翠色に光ってるから。
翠、綺麗だネ。
翠、これからあの泉はおいら達や町の者達がしっかり守るから、もう大丈夫だよ。
雛達はもう十分に育ってるはずだよ。
寂しいだろうけどそろそろ巣立ちさせてあげないと…。
寂しかったら俺達の所においで。玄もいる事だし。
翠、音樹子の姐さんはね。君と同じなんだよ。
だから何時でも何かあったら相談しに来ると良い。
雅改め翠はニッコリと極上の微笑みを浮かべ一筋の涙を流した。
その涙は木漏れ日に光輝いてまるで翡翠の様に光って雅の姿ごと消えた。
俺は事の次第を社長に伝え、もう出て来ないはずだと伝えた。
夢路はもう行く必要がなくなったが、社長は七日の約束だし確認してから終えてくれと言うので、夢路は最後の一日を全うして仕事を終えた。
泉はそれから程なく新たに整備され始めた。
神社と温泉が建立し、町の人々の憩いの場となり繁栄の一端を担った。
倉庫会社もその運営を手掛けた事で人々の評判と信頼を得て順調のようだったし、勿論濡れた女の姿はそれ以降終ぞ見る事はなかったが、音樹子の案で神社には翠の相方と雛を供養する小さな小さな墓碑が建てられた。
あれから森に行ってみたが巣はなかった。
どうやら翠の怪我は癒えて雛達は旅立ったらしい。
時折り玄が翠色に光るカラスと飛んでる姿が見られるが、きっとあれは翠なのだろう。
玄は翠の事については何も伝えて来ないらしいが、前に進み出した事だけは確かな様だ。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません