鴉と蘇生りの水 二話 雅
嘉太郎の見立て
あ・・・😅
もう連れて来たんだネ。
へ?
居るよ。右肩にもカラスが…。
(O_O)え。
だからか…😅
何時も右肩に居る玄が何で今日は左なんだよって思ったんだよ。
右肩のカラスからは玄とは違う優しい母鳥の思念が伝わって来る…。
玄の想いまで僕に伝わってくるからそれに紛れて夢路は気づかなかったのかもしれないね。
…凄く想いが強いね。はっきりと伝えてくるよ。
どうやら子供がいるみたいだ。
怪我で餌を思う様に運べなくて悲しんでるんだね。可哀想に…。
霊なの?
うーん、霊とは思えないなぁ。
妖に近いかもしれないね。人の姿になれるほどの高貴な妖。
夢路が玄を連れて来たから何とかして貰えると思ってついて来たんじゃないかな?
俺は一人じゃ何にも出来ないけどな😅
皆手伝ってくれるよ☺️勿論僕も手伝うし。
えっと…名前は…「みやび」…かな?
「みやび」…そのままやん😅 カラスは雅とも書く…。
怪我を治す為にあの泉が必要なんだろうな。
泉を元に戻すなら社長に働きかけなくちゃいけないね。
誠さんにも今調べて貰ってるし、姐さんにも話しとかなくちゃ。
肩にいる雅さん、どうするんだい?
そのままでいいのかい?
んー…(ー ー;) ちょっと重いけど…。
それより子供が心配だよね。
…嘉太郎、付き合ってよ。
いいよ☺️
でもその前に着替えてくる。
身軽な方が良いからネ。
わかった。
じゃ嘉太郎が着替えたら、雅、玄を案内して。
あー怪我してるんだから飛ぶんじゃないぞ。…って止まってられないか。
腕においで。うーん、これで抱えられてるのかな…🙄。
夢路が右腕を曲げて前に突き出した。雅が肩から腕に降りると僅かな重みを感じたのか、その上の空を抱く様に左腕で抱える仕草をした。その腕は雅をちゃんと抱えられ、雅は少し窮屈そうながらもその腕に支えられているのが視えた。
僕が着替え終わると、飛び立った玄は雅の声を聞いているように後ろを気にしていた。
玄は泉から少し行った所にある小さな森に入り、やがて一本の木の枝に止まった。
うーん、見えない😅
でも何か巣らしきものがあるなぁ。
任せて。
僕は巣があると思われる木に登った。
そこにいた雛が母鳥を待ち焦がれた様に鳴き出した。
こんな夜なのによっぽどお腹を空かせていたのだろう。
いるよ、雛が二羽。
でもお腹空かせてるから、虫とかいないかな。
虫かー。ちょっと待って。
夢路はあちこち覗き込んでは虫を探し始めた。
結構簡単にいっぱい見つける事が出来たようで、それを持ってた手拭いに包んで玄に持たせた。
お前が食べるなよ。
玄は手拭いの包みを僕に届けてくれた。ご褒美に手拭いの中の大きめの芋虫を一つあげると玄は食べようとはしなかった。きっと雛達にあげろと言う事なのだろう。
僕は雛二羽に変わるがわる虫を与えた。雛達は夢中になってあっと言う間に食べ尽くした。
はい、今の所はこれでお終いだよ。また持って来てあげるからね。
僕は木から降りて来て夢路に言った。
餌やりは僕がやるから泉の事は任せたよ。
高い場所の餌やりなら清ちゃんも手伝ってくれるだろうから僕から話しておく。
わかった。雅、これで少しは安心か?
俺達でどうにかするからね。子供達についてあげてくれよ。
その時の雅の少し安心した様子は僕にしか判らなかったけど、気持ちが夢路にも伝わっていた様だったし、左肩に止まった玄もちょっと安心したようだった。
この件は夜だと言うのに何だかんだと宵のうち皆に伝わり、役目が分担された。
雛の面倒は僕・清ちゃん・初音・環が、泉の件については才蔵さん・誠さん・七夏さん・夢路が受け持つ事になった。
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